リスティング広告の練習問題
🎯 シミュレーション問題 利益を考慮したリスティング広告の最適化
【状況設定の変更と計算要素】
あなたは、高級オーガニックコーヒー豆を専門に扱うECサイトのデジタルマーケティング担当者です。
| 項目 | 設定値 |
| 商材 | 高級オーガニックコーヒー豆(客単価: 5,000円) |
| 原価・経費 | 1注文あたりの原価、梱包費、送料など:1,500円 |
| 顧客生涯価値(LTV) | 平均的な顧客のLTV:25,000円 |
| 目標(KPI) | 月間売上目標:500万円 |
| ウェブ広告予算 | 月額:100万円 |
1. CPAの基礎計算(事前課題)
許容CPAは、LTVの20%とする。
許容CPAを求めよ。
2. 現在のデータと目標設定
あなたが算出した許容CPAを念頭に、以下の過去実績を見てください。
| キャンペーン名 | 予算消化額 | クリック数 | コンバージョン数 (CV) | CPA |
| A: 競合名キーワード | 40万円 | 4,000 | 80 | 5,000円 |
| B: 一般コーヒー豆キーワード | 30万円 | 6,000 | 45 | 6,667円 |
| C: ロングテールキーワード | 10万円 | 1,500 | 30 | 3,333円 |
| 合計 | 80万円 | 11,500 | 155 | 5,161円 |
【あなたの課題】
上記の過去データと、あなたが算出した「許容CPA」に基づき、来月1ヶ月間の予算配分と戦略を提案してください。
- 許容CPAと適正CPAの具体的な算出値を提示してください。
- 来月のキャンペーン別予算配分案 (合計100万円)
- 各キャンペーンの改善アクション(入札戦略、キーワード、クリエイティブの具体的な方向性)
答え
🌟 シミュレーション問題:回答
1. CPAの基礎計算(許容CPAの算出)
【設定値の確認】
- 客単価: 5,000円
- 原価・経費: 1,500円
- LTV (顧客生涯価値): 25,000円
① 許容CPA(LTVの20%)
許容CPA=25,000円×20%=5,000円
意味: 顧客一人を獲得するために許容できる広告費の限界値。これを上回ると、LTVから見ても採算が合わなくなる。
2. 来月のキャンペーン別予算配分案 (合計100万円)
【判断基準】
- AとB: 許容CPA 5,000円に対して効率が悪い(特にB)。
- C: 実績CPA 3,333円は最も優秀で、利益確保の可能性が高い。
| キャンペーン名 | 実績CPA | 許容CPAとの比較 | 評価 | 来月の予算配分案 | 配分比率 |
| A: 競合名キーワード | 5,000円 | 限界値 | CVボリューム最大。LTVベースで許容。流入維持。 | 40~35万円 | 40~35% |
| B: 一般コーヒー豆キーワード | 6,667円 | 🚨 許容CPAオーバー | 即座に予算を減らし、非効率な流入を抑制。 | 20~10万円 | 20~10% |
| C: ロングテールキーワード | 3,333円 | ✅ 優秀 | 効率が良く、利益貢献度が高い。最優先でボリューム拡大。 | 40~50万円 | 40~50% |
| 合計 | 5,161円(平均) | - | - | 100万円 | 100% |
【予算配分の根拠】
- Cを大幅増額 (10万 → 50万円): 効率が最も良いため、段階的に予算を大幅に投入し、ボリューム拡大を図ります。
段階的に予算を投入しないと、意図しない流入まで含まれてしまうため、CPAが悪化する恐れがあります。
よって、一週間ずつ1.5倍に予算を増額します。これによって、1週間の間に、機械学習が安定します。
具体的には15万👉25万👉35万👉50万 というサイクルです。 - Bを大幅減額 (30万 → 20~10万円): 許容CPAを大きく超えており、赤字を生んでいるため、予算を半減し、改善活動にリソースを集中させます。
ただし、一気に予算を減らしすぎると、十分なCVデータが得られず、学習データが確保できない可能性があります。
よって、推奨される20万から、最低ラインである10万までを予算の配分とします - Aを微減額 (40万 → 35万円): 効率は限界値ですが、最大ボリューム源であるため、流入を大きく減らさないよう維持か、微調整に留め、予算をCに振り分けます。
3. 各キャンペーンの改善アクション
| キャンペーン名 | ターゲットCPA | 具体的なアクションプラン |
| A: 競合名キーワード | CPA: 4,500円未満 | 1. 入札戦略: LTVを重視した**「目標ROAS入札」に切り替え、ROAS目標を250%(現在の実績値)に設定し、効率化を図る。 2. クリエイティブ: 競合からの流入のため、「切り替え特典」や「比較訴求」を強化した広告文のテスト**を実施し、CVR向上を目指す。 |
| B: 一般コーヒー豆キーワード | CPA: 5,000円未満 | 1. キーワード: 費用対効果の悪い**「部分一致」**キーワードを絞り込み、除外キーワードリストを大幅に拡充する。 2. 入札戦略: 手動CPC入札に戻し、入札単価を20%削減することで、低単価のクリック獲得を目指す。 |
| C: ロングテールキーワード | CPA: 3500円を維持 | 1. 予算管理: 予算を50万円に引き上げる際、週次でCPAをモニタリングし、3,500円を超えたら増額を一時停止する。 2. キーワード: 検索語句レポートから、CVRが高く、CPAが低いニッチな語句を完全一致で追加。グループを分けて広告文を最適化し、効率を維持したままボリュームを拡大。 |
