人の問題を肩代わりしてはいけない

こんにちは、阿部隆宗です。

👇こちらの記事で、問題を解くにはそもそも
問題を認識しなければならないことを説明しています。

問題は解くことよりも気づくことの方が難しい

こんにちは、阿部隆宗です。 およそビジネスに携わる人の中で、問題解決に苦労していない人はいないでしょう。 それくらい人々を悩ませる問題解決ですが、一体何がそれほ…

しかし、それだけでは足りません。
問題解決に取り組むには、もう一つ必要な要素があります。
それは、自分の問題であることを認識することです。

だから問題を認識させるだけではだめだし、
問題を肩代わりしてしまってもいけない。

今回の記事は、主にコンサルタント業を請け負っている人向けに思われますが、
実際のところ他人の問題解決をしている人、
つまり、すべてのビジネスマンがわきまえておかなければいけないことです。

成長の機会を奪わない

問題解決の最大の目的は、「問題を消すこと」ではありません。
当事者が自律的にシステムを制御できるようにすることです。

手を貸し過ぎると、相手を依存させ、無力化させます。

確かに顧客を依存させることで、
「自分がいないと回らない仕組」を構築できます。
それによって一見、長期的な収入源を確保できるように見えるかもしれません。

しかしそれを例えるなら、空いたバケツを延々と直し続けるようなものです。
そうしたレベルの仕事は、多くの代わりがいるので低単価となります。

いえ、そもそも問題を解決できないならすぐお払い箱となるでしょう。
短期的な視野でビジネスをしているのに、長期的な収入もなにもないということです。

高単価となるのは、高度なディレクションを必要とする、戦略レベルの仕事です。
つまり、一度うまくいく仕組みを作り、顧客を一段高いステージへと登らせることができれば、
高収入を得るにふさわしい仕事といえるでしょう。

というのも、低単価の仕事では、報酬は競合との価格競争によって決まりますが、
相手に直接利益を与えられるような仕事なら、報酬を投資対効果の面から逆算できるので、
その分だけ価格を上げられるからです。

しかし一度クライアントが問題を解決してしまったら、
そこで関係は終わりではないか?
そのように考えるのが普通でしょう。

しかしそうはなりません。なぜなら、問題は常に発生するからです。
古代より文明は発展してきました。
そして生活はどんどん便利になっていきました。
しかし、それによって仕事は減るどころか、ますます増えています。

問題が発生することは、もはや人間社会の法則なのです。

よって仕事はなくなることはありません。
正確には、きちんと相手の問題を解決できるビジネスマンは、
新しく抱えた問題を解決できる能力を持たなくとも、
相談相手として選ばれ、そしてそこから問題解決のための仕事
———例えば調査やジョイントベンチャーなど———
を依頼されることもある、ということです。
(つまりないなら一緒に作りませんか?ということ)

そのために必要なのは、問題を解決するための手段を持つことではなく、
クライアントが問題を自力で問題は何かを認識できるようにするための「問い」です。

例えば、

問題の構造を自分で認識させる問い

  • 「この問題はいつから起きていますか?」
  • 「似たような問題が過去にもありましたか?そのときはどう解決しましたか?」
  • 「この問題が起きているとき、何が共通していますか?」

当事者意識を持たせる問い

  • 「この問題を解決できるとしたら、誰が鍵を握っていると思いますか?」
  • 「もし明日この問題が解決されているとしたら、何が変わっている必要がありますか?」
  • 「この問題について、あなたが一番コントロールできる部分はどこですか?」

自分で解決策を引き出す問い

  • 「理想の状態はどんな状態ですか?」
  • 「今すぐできることで、一番インパクトがありそうなことは何ですか?」
  • 「過去に似た問題をうまく乗り越えた経験はありますか?」

といったものです。

そして往々にして、こちらが考えていた解決策よりも優れた解決策を彼らは考えつくものです。

他人の問題を肩代わりしてはいけない

ビジネスの本質は、相手の問題を解決することです。
だからといって、相手の役に立ちたいという思いから、相手の問題を丸抱えしてはいけません。

問題を相手の代わりに背負ってしまえば、責任を負うことになります。
その仕事が相手に解決不能であるものであるならば、確かにそれはビジネスとして成り立ちます。

しかし、相手が解決可能であるならば、そして相手が解決すべき事柄であるならば、
責任は相手の肩にのせておくべきです。

それはなぜか?

それは外部の人間が介入しても意味がない問題が存在するからです。

実際のところ、相手の問題を肩代わりすることは相手に対する敬意というよりは、
相手の能力と責任に対する軽視です。

それは親が子供の進路を何もかも用立てるようなものです。

これが部下と上司の関係であるなら
———それでも限度はありますが———
上司も部下を、ある程度は導いていかないといけないし、
責任を肩代わりしなければいけません。

けれどもこと相手がビジネスパートナーであるならば、
相手の問題を無条件に背負うようなことはしてはいけません。
能力的に請け負えないということ以上に、
自分たちでしか解決できないような問題は外部の人間が介入しても無意味だからです。

例えば会議で誰も発言しないというような内部文化、部署間の連携不足、人間関係のトラブルなどなど・・・

そうした社内文化に起因するようなものは外から解決できないし、
そもそも自分たちで納得して作り上げた文化でないとそんなものを守ろうとは思いません。

そう、なによりも「完璧な正解」を外から与えられるよりも、
「自分たち」で作り上げた、「そこそこの正解」のほうが、実効性があります。

なぜならそれを自分たちで作り上げたがゆえに、それを守る責任を負うからです。

今回はここまで。