景品表示法とプロスペクト理論
景品表示法とは
景品表示法とは消費者がより良い商品やサービスを自主的に選べるようにする法律です。
その柱は2つあります。
- 不当な表示の規制
- 過大な景品の規制
の二つです。
このうち景品類の規制において、実は上限が設定されています。
景品とは
顧客を誘引する手段として、商品・サービスの取引に付随して提供されるもの。
景品には大きく分けると「懸賞」(抽選など偶然性によって提供相手を決めるもの)と「総付景品」(懸賞によらず提供されるもの)があり、それぞれ上限が定められている。
具体的には個別の上限と総額の上限の二つが設定されていて、
それぞれ、個別の上限は取引価格の20倍、総額の上限は取引予定総額の2%となっています。
この具体的な数値は今回の主題ではありません。
どうしてこのような上限が設けられているのか、
そしてそのことと行動経済学のプロスペクト理論との関係についてお話しします。
どうして上限が設けられているのか?
例えば売り上げ総額が1億円の懸賞を考えます。
総額2%の上限を守ったとして、10円の景品20万個として提供するのと、
一等景品として200万の自動車1台を提供するのでは、消費者に与える影響が全く異なります。
200万の自動車1台は一獲千金の夢を見させます。
それによって、消費者の冷静な判断力を奪います。
それによって本来は必要ない商品を景品目当てに購入してしまうのです。
このように、本来必要ない商品を購入させることのないようにすることが、
景品表示法の目的です。
ところでこの冷静な判断力を奪うという現象はいったいなぜ起こるのでしょうか?
直感的に考えて、このような現象があることは皆さん納得いただけると思います。
しかしそれを説明できるでしょうか?
この現象を科学的に説明したのが、プロスペクト理論の一つ、確立加重関数です。
プロスペクト理論とは
人間は合理的判断ではなく、様々なバイアスを基に、非合理な意思決定をするという理論。
その柱として、価値関数と確立加重関数がある。
価値関数とはある額の利益よりも、同じ額の損失のほうが心理的負荷が大きくなるという傾向のこと。
確立加重関数とは小さな確立を過大評価し、大きな確立を過小評価しがちであるという傾向のこと。
常識的に考えて、一等景品が当たる確率は低いです。
しかしその確率の低さを無視し、得られる利益の大きさに注目してしまうことが、
人間の傾向として存在します。
つまり、小さな確立を過大評価してしまうのです。
人間が期待値計算を基に行動するならば、このような商品を大量購入はしないはずです。
しかし人間はバイアスを基に行動するので、この豪華景品を求めていらない商品を大量購入してしまいます。
もちろん景品表示法に引っかかるような施策は現在はできません
しかしこの理論を現在の環境で応用はできないのでしょうか?
例えば100人に1人無料というキャンペーンはどうでしょうか?
これは商品そのものの値引きであるため、景品表示法にひっかかりません。
抽選が本当に行われているならば、不当表示規制にも引っかかりません。
しかしプロスペクト理論から見て、これは人間の射幸心をあおるといえるでしょう。
みんななんだかんだでくじ引きを引くのが好きですから。
このようにすでに規制されてしまったものでも、
その根本原理を現在の環境に適応できるように応用することは可能です。
ぜひあなたも試してみてください。
