キャッシュのない企業が爆発的に成長する方法

こんにちは、阿部隆宗です。

今日はキャッシュがない企業が、

  • キャッシュフローを改善する方法
  • キャッシュをなるべく使わずに成長する方法

について語っていこうと思います。

キャッシュイズキング

キャッシュフローが低迷していると、設備投資や新規事業への投資ができなくなります。
つまり、ビジネスの成長・拡大ができません。

常に資金繰りが厳しく、資金ショート寸前であり、
手元資金を補うために、借入を増やしたり、資産を売却したりします。

それはまさしく身を削ってしのいでいる状態です。
なのでそれで一時はしのげても、だんだんとやすり掛けされているように、
事業は苦しくなっていきます。

逆にキャッシュ、現金さえ手元にあれば、たとえ帳簿上は赤字であっても耐えることができます。

キャッシュフロー改善法

キャッシュフロー改善とは、究極的に言うと、入金と出金の差を縮めることです。
そしてここでいう「差」には2つの意味があります。

  1. 時間的な差を縮める(タイミングギャップ)
  2. 量的な差を広げる(収支ギャップ)

① 時間的な差(タイミングギャップ)を縮める

入金が遅く、出金が早いと資金繰りが苦しくなります。
したがって、

  • 入金を早める(請求・回収の迅速化)
  • 出金を遅らせる(支払いサイトの延長、カード払い)

ことで、キャッシュの時間的ギャップを縮めるのが第一の目的です。
つまり、 「キャッシュが手元にある期間を長くする」ということです。


② 量的な差(収支ギャップ)を広げる

これがいちばんイメージしやすいでしょう。つまりは利益がいっぱいあればいいということです。
その方策を大きく分けると、

  • 売上・利益率を上げる
  • コストを下げる

の2パターンしかありません。


🧭 まとめると

観点改善の方向代表的な施策
時間の差を縮める入金を早め、出金を遅らせる請求自動化、早期支払いインセンティブ、クレカ払い
金額の差を広げる収入を増やし、支出を減らす利益率改善、業務効率化、無駄削減

となります。
もっと詳しく見ていきましょう。

4つのレバー

キャッシュフローは
「入金」「支出」(タイミングギャップ)
「利益」(収支ギャップ)
の3要素で決まります。

そしてこれに対する施策は4つあります。
これを「4つのレバー」という言い方をしましょう。

まず入金を操作するレバーが2つあります。

一つは入金を早めること。つまりキャッシュインの前倒しです。
もう一つは滞留を防ぐこと。つまりキャッシュインの確実化です。要はとりっぱぐれのないようにしましょうということです。

そして出金を操作するレバーが一つ。
これは支出を遅らせること、つまりキャッシュアウトを後ろ倒しにすることです。

そして最後に利益を操作するレバーが一つ。
これは収益力を上げること、つまりキャッシュ創出力の強化です。

この4つのレバーを操作することで、キャッシュフローの問題は解決できます。

入金に関するレバー

入金を速めれば早めるほどキャッシュフローの収支のタイミングが縮まります。
そうすれば、手元に現金が早く入るので、資金繰りが楽になります。

キャッシュインのタイミングを早める施策として、次のようなものがあります。

  • 早期支払いインセンティブ:
    早く払ってくれた人に割引や特典をあげる
  • 請求書の早期発行:
    納品後すぐに請求書を発行。実際の支払期日が納品日だとしても、
    相手方の支払処理は、請求書が届いてから始まる。
    よって遅ければ遅いほど、入金が遅れるリスクが高まる。
  • 請求書の電子化:
    先の請求書の早期発行の発展。
    電子化により郵送のタイムラグをなくす
  • 支払い条件の見直し:
    「納品後月末締め翌月末払い」といったアバウトな条件ではなく、「納品後14日以内払い」など短く、具体的なサイクルに変更する。
  • 前払い・着手金の導入:
    納品前に一部、又は全額を前払いしてもらう。
  • クレジットカード決済の導入:
    カード会社から早期に入金されるため、実質的に入金サイクルが早まる


2つ目のレバー、キャッシュインの滞留を防ぐ施策としては、次のようなものがあります。

  • 優しい催促:
    支払期日を過ぎてしまっても、丁寧にフォローする。
    これは人道的な理由ではなく、変にこじらせるよりも、
    相手に「ただ単に忘れてしまっただけですよね?」と促すことで、
    相手の道義心に訴えかけ、回収確率をあげる施策。
  • 相手の支払いサイクルを理解する:
    取引先の締め日・支払日を事前に把握しておく。
    相手も入金のタイミングがあり、お金がないときは当然お金を支払えない。
    ないときに催促するよりも、あるときに催促するほうが当然回収確率は高い。
  • 遅延理由の把握と対応:
    なぜ遅れているのかのヒアリングをし、場合によってはこちらが解決してあげる。
  • 期日前リマインド:
    相手も人間なので支払いを忘れることがある。
    リマインドで支払いを思い出してもらう。
  • 口座振替・自動化
    定期的な取引を自動化することで、人力の介在することによるミスをなくす。

出金に関するレバー

支払日をできるだけ後ろ倒しにすることで、手元資金を長く保てます。

具体的には次のような施策があります。

  • 支払いサイトの延長交渉:
    取引先と話し合って、期日を延長してもらう
  • クレジットカード払いにする:
    経費や仕入れをカードで支払い、実際の引き落とし日を遅らせる。
  • リース・分割払いにする:
    大きな支出を一括で払わず、分割やリースにしてキャッシュアウトを平準化する

利益に関するレバー

入金も出金も、立派なキャッシュフロー改善ですが、一時的とまでは言いませんが、あくまで補助的なレバーです。
根本的な利益がそもそも少なければ、長期的な安定は望めません。

とはいっても、それができれば苦労はしないわけで、
世の中の、およそすべての経営者がこの部分に悩んでいる箇所でもあります。
なのでここではざっくりとしたカテゴリー分けだけに抑えようと思います。
本気でやれば本一冊程度では終わらないので。

  • 収益力の向上:
    既存顧客へのアップセルや価格改定により、顧客一人当たり収益幅をあげる。
    利益「額」を増やしたいなら、顧客の数を増やすのもいいが、
    利益「率」の改善をしたいなら、そちらの方がよい。
  • コスト構造の最適化:
    仕入れや原材料費などの見直しや、
    ROIの低いチャネルの削減によりマーケティング費用を減らす。
  • 業務効率化:
    より少ないリソースで成果を上げる。
    例えばデジタルツールの導入や、マニュアル化、アウトソーシングなど。

などがあります。


ここまでは入出金のタイミングや収支のギャップを解消することで、キャッシュフローの改善を試みてきました。

次はそもそもキャッシュをあまり使わずに、キャッシュを増やす方法について論じていきます。

キャッシュを使わないマーケティング

成長しなければ儲けが出ない。
でも儲けがないので成長の元手となるキャッシュがない。

自転車操業の経営者は常に、卵が先か鶏が先かのジレンマを抱えています。
そこでここではキャッシュを使わずに事業を成長させられる方法を紹介していきます。

この方法は小手先のテクニックではなく、
事業そのものを大きく変貌させられる可能性を秘めています。

なぜこの方法がそれほど効果があるのでしょうか?
それは、ビジネスの本質が価値の交換にあるからです。

キャッシュはその価値の一部にすぎず、
むしろ今回の方法のほうが、ビジネスの本質に迫れるものとも言うことができるでしょう。

ただしキャッシュがない分、交渉力や提案力、創造力が問われます。
ある意味で起業家としてのあなたの力量が試されるでしょう。

この方法を使うことで、事業を拡大させ、そこで得た利益を基に、
今度はキャッシュのかかる方法で成長投資をしていけばいいでしょう。

削ってはいけない経費を削る経営者

低迷する事業では、経費で儲けを使い果たしてしまいます。
そうすると、多くの企業ではマーケティング費用を縮小しようとします。

経営悪化
  ↓
「現金が足りない!」
  ↓
「すぐに減らせる支出は何だ?」
  ↓
販売費・広告費・マーケティング投資
  ↓
「これを止めれば、今月の支出が減る」


という思考プロセスになるからです。

なぜこのようなことを言い出したのかというと、
そもそもどんな施策を導入しようと、その効果がどれくらいなのか測る体制ができていないと、
効果があったのか分かりませんし、改善のしようもないからです。

そして効果が分からないから、本当は効果があったマーケティングを、
経営悪化したからといって、削減してしまい、ますます経営悪化するという事態がありえます。

このように、マーケティング費用が「悪者」にされてしまうのは、
他の人件費・家賃・光熱費・仕入れに比べて、圧倒的に経費削減が簡単だからです。

しかし、経営悪化したときに一番力を入れなければならないのはマーケティングです。
そのための費用がないのは仕方がないにしても、リソースはそこに一番振り分けるべきです。

具体的には効果が出ているものと、出ていないものを数値化してはっきりと分けてください。
注意すべきなのは、そこで費用対効果が低かったからといって、直ちに切り捨ての対象にはならないということです。
なぜなら何らかの改善をすることで、それは利益を生むかもしれないからです。

ROI(投資対効果)の測定

例えば広告費100万で、150万を売り上げたとします。そして粗利率は40%です。
この時の利益は150万×40%=60万となります。

つまり、広告費100万かけて、60万の利益なので、この時点では赤字となります。
投資対効果(ROI)は―40%となります。
疑いようもなく切り捨て対象です。

しかし、ここからが重要です、そうして獲得したお客さんたちが、1年で1000万の購入をしたとします。
計算を単純にするために、粗利率も同じ40%として、この人たちから得た利益を計算します。

1000万×40%=400万

つまり、広告100万をかけて獲得した顧客から、1年間で400万の利益を得たということです。
つまり、投資対効果は驚きの400%となります。

もしも最初の時点でこの広告を切り捨てていたらどうなったでしょうか?
もちろん投資対効果のきわめて高い広告を切り捨てるので、
疑いようもなく経営は悪化します。

実際には広告費だけでなく、そこにかかった人件費などの固定費も追加するので、
ROIはもっと低くなりますし、本当は一人当たりに換算して計算しなければいけません。

しかし重要なのはきっちりとROIを測定することで、
本当に価値のある施策が、数値として分かったということです。

キャッシュを使わない施策をするにしても、
根本の計測が間違っていれば、何をやっても無意味です。

しっかりと計測してください。これは大前提です。

ではいよいよキャッシュを使わないマーケティング施策を紹介していきます。

キャッシュレスマーケティング

キャッシュを使わずに爆発的に成長させられる施策として、次のようなものがあります。

  • バーター取引
  • 給料制度の変更
  • 他社の資産を借りる
  • 商品のパッケージ化


それでは説明していきましょう。

バーター取引

バーター取引とは、自社で有効活用できてないモノと他社で有効活用できてないものを交換して、
お互いに価値を見出すことをいいます。要は物々交換です。
キャッシュがなくてもできるので、資金繰りを圧迫しません。
またさらに、扱っているものが物質的なモノなら、在庫コストを減らすことにもつながります。

ただ一口にバーター取引と言っても、その活用の仕方は様々なものがあります。
まずは単純な2者間の物々交換取引についてみていきましょう。

自動車ディーラーを例にとります。

例えばディーラーにこんな事情があったとします。

  • ディーラーは自社のショールームや展示車両の清掃を頻繁に行う必要があり、窓ふきサービスが定期的に必要だった。
  • その車はなかなか現金で売れず、在庫リスクや管理コストがかかっていた。
  • ディーラーはキャッシュフローを守りたい、もしくは現金が手元に少ない時期だった。

こういう条件である場合、たとえ市場価格より高く評価しても、
窓ふきサービスを「購入」する可能性があります。
そこで仮定として、

  • 車の原価:100万
  • 車の市場価格:200万
  • 窓ふきサービス:1回1万

だとします。

ある日自動車ディーラーのもとへ、窓ふきサービスの業者がやってきました。
彼はバーター取引でも取引可能であると言っています。
この場合、2者間での窓ふきサービスの価値は高くなっています。
なぜなら現金で購入できない事情があり、それに応じてもらえるのは彼くらいのものであるためです。

そこで、一回一万の原価のサービスを、一回5万円分としてカウントすることもできます。
つまり、40回分のサービスを提供すると申し出ます。
つまり200万円分ということです。

それと車を交換します。

窓ふきサービスの原価は40万。(1万×40回)
車の原価は100万。

窓ふき業者は、その車を売ることもできます。
例えば150万で売るとします。
すると、実際に得る現金は150万、それを手に入れるためのサービスの原価は40万。
差額110万の利益となります。

車をそのまま使うこともできるし、
キャッシュがなければこのように現金化して売ることもできます

この例のポイント

バーター取引特有の現象になりますが、
今回のように、一回で使い切らないようなサービスを提供する場合、
それはある意味支払いを「分割」で「無利息」で「先延ばし」するようなものです。

さらにもう一段階アイデアを付け足すとすれば、サービスの利用に失効日を設ける案もあります。
失効日までにサービスを相手が使い切れなければ、その分だけさらにお得に買い物ができたということです。

僕なんかはよくスーパー銭湯に行くので、その回数券を買ったりするんですが、
いろんな事情でいかなくなってしまった遠方のスーパー銭湯の回数券がいつの間にか期限が切れてしまったりします。

もちろんもったいないと思いますが、同時にそれは自分の事情なので、
そのことに対して相手を責めようなどとは思いません。

バーター取引も同じです。取引自体が真っ当であったならば、
期限が切れたところで相手は怒ったりはしないでしょう。
(そもそもそれで怒るような相手とは取引しないほうがいいですが)

その他のバーター取引

全額をバーターや現金にしなくとも、一部をバーターという形にすることもできます。

高額なプロスポーツ選手の年俸を渡す場合、そのまま全額キャッシュにするのではなく、
一部をスポンサーの製品で渡す、という形式がとられることがあります。
これも立派なバーター取引です。

他にもバーター取引を発展させた、バーターの【通貨化】という手法もあります。

バーター取引は2者間の直接交換でしかありません。
そのメリットは現金を使わずに価値を交換できるというものであり、
そのデメリットは欲しいものと持っているものが一致しないと成立しないという偶然性がいるということです。

この偶然性の一致こそが、バーター取引最大の制約です。

この制約を解消するために、「債権」を発行するという手段があります。
つまり、自社に車があったとして、それをバーター取引で引き渡す際に、
車そのものを引き渡すのではなく、【相手に車を受け取る権利】を引き渡すということです。

そしてこの権利は譲渡可能とします。

通貨とは、「将来誰かが価値を提供してくれる」という社会的な約束を可視化したものです。
つまり、通貨があることで、時間差でモノとモノを交換することができるようになります。

バーター取引では即時交換という制約があったのが、
債権という形にすることで、時間をずらして交換が可能となりました。

これにより、取引範囲が劇的に拡大します。


ただしキャッシュを払わないからといって、税金逃れができたり、
ありとあらゆるものをバーターで取引できるわけではありません。

会計上は製品の市場評価(時価)で計算しなければいけませんし、
労働者の給料などは原則通貨で支払うのは労働基準法によって定められています。(できなくはない)
この記事では深くは掘り下げませんが、バーター取引をする際はそのあたりを注意してください。

給料制度の変更

業績と従業員の給料を連動させる

人件費はビジネスの中でも特に圧迫する部分です。
しかし全額固定費だと、従業員の働きと事業の成功は直結しません。
それをある程度直結するようにすれば、たとえそれで人件費が上がったとしても、
同時に業績も上がるので、圧迫することにはなりません。

自社商品を提供

給料として提供

つまりバーター取引です。。
現金+現物支給の形で提供します。

その際の会計処理は、原価ではなく市場価格で行います。
短期的な効果はあるが、根本的とは言えません。

割引購入する権利を提供

給料は変更しませんが、従業員が自社商品を購入することで、会社に現金が入ります。
ついでに在庫も減ります。

  • JTBやHISなど大手旅行会社:従業員割引は「市場価格の30〜50%オフ」などが一般的
  • 航空会社:スタンバイ席など「原価に近い価格」で利用可、ただし回数制限あり
  • 百貨店・小売:社員割引10〜30%オフ

他社の資産を借りる(ジョイント・ベンチャー)

バーター取引と重なる部分がありますが、この施策は自社に何の資産がなくてもできます。
バーター取引は自社に何らかの資産があって、相手と交換する施策でした。
この施策は、相手の資産を活用し、利益を生みだし、それを相手を分け合うことで利益を得ます。
自分の持ち出しは理論上ゼロなので、ほぼノーコストで達成できます。
これをジョイント・ベンチャーといいます。

【『クラッシュマーケティング ビジネスの停滞要因=スティッキング・ポイントを破砕する9つの方策』著:ジェイ・エイブラハム 訳:金森重樹 出版:(株)実業之日本社 】より

私のプログラムに参加したあるカイロプラクターは、得た知識を実行に移すべく、やる気と自信を胸に帰っていった。

彼の家は広大な国有林の近くにあった。
その国有林のレンジャーは、松葉の落ち葉掃きのために毎年人を雇わねばならなかった。
カイロプラクターは、松葉をマルチ(農業・園芸用の根覆い)にすれば、この上なくいい肥料ができることを知った。

彼は、その国有林が配送ルートにかかっている運送会社を見つけた。
そして前金なしで、自分が最終的に得る収益の一定割合を報酬として支払う条件で、
トラック運転手に松葉を拾い、届けるよう話を付けた。
彼はさらに中古車売り場の広いスペースを見つけ、オーナーと取引して使わせてもらうことにした。

このときもまた、前金なしで、利益の分け前を払う約束だけをした。

次にカイロプラクターは、国の林野部に行き、松葉の片づけを請け負っていたほかの会社よりも安値でこの事業に入札した。
彼は半値を付けて落札し、運送会社に松葉を収集させ、中古車売り場に保管させ、
マルチ材にして、彼が組み立てた巧妙な三者ジョイントベンチャーで初年度に30万ドル稼いだ。

しかも、彼はパートナーへの初期投資というリスクも負わなかった。
これこそ、パートナーシップの醍醐味だ。


ジョイント・ベンチャーについて語ると本が一冊できてしまうので、
ここではさわりの部分だけにとどめます。

ジョイント・ベンチャーを行えば、短期間で市場に参入できます。
なぜなら他者が築いた市場への信頼を借りられるからです。
これは他者のアクセス、つまり流通網を借りたということです。

新規参入は常に失敗のリスクを抱えています。
成功の保証はありません。
しかし、すでにうまくいっているものを借りる場合、
成功の保証が付いたとみるべきでしょう。
というよりも、すでに成功しているものに乗ったというべきでしょうか?

このことの利点は、成功確率の飛躍的上昇だけでなく、
失敗時のコストも劇的に下げるというものもあります。

つまり、自分の持ち出しはほとんどないので、
失敗しても大した痛手にはなりません。

このように、市場に参入するときに考慮しなければいけない、
参入戦略と出口戦略の両面において、ジョイント・ベンチャーは非常に優れた施策といえます。

借りられるのはアクセスだけではなく、他者の資産も借りられます。
もし自社にアクセス、流通網はあっても、それに乗せる新商品がないことに苦しんでいるなら、
他者の資産を借りるとよいでしょう。

自社で新商品を開発するのは多大なリソースがかかります。
しかし成功の保証などありません。

しかし他者がすでに売り出しに成功している製品ならば、
ある程度の成功の保証があります。

利益の幾分かを分けることで、それらを自社のアクセスに乗せることができます。
そしていまいちだったとしても、自社の持ち出しはゼロです。

アクセスも資産もなくても、両方をつなぎ合わせることで利益を得ることもできます。

例えばまず作りすぎた製品に困っている業者に話を持ち掛けます。
そのあとその製品が売れそうな場所へ行き、その製品を売り出してもらいます。
相手は仕入れの必要がなく、売れなかったら返品すればいいだけです。
しかし売れれば分け前がもらえます。

自分がやるのは製品の補充と、支払の確認だけです。
それで得た利益を、最後に製品を作った業者に渡すだけです。

ここには3人の登場人物がいます。

  • 製品を作った業者
  • 現場で売る人
  • 間を取り持つ人

この3者のいずれも、この取引の際に初期投資はしませんでした。
しかし、利益を得る可能性だけはありました。

これがジョイント・ベンチャーです。

商品のパッケージ化

これは多くの人にもなじみのある施策かもしれません。
しかし知覚価値を高めるという点で、真っ当で常道な施策です。

事業者のほとんどが「価格横並び」で行き詰っています。
その理由は、顧客にとってはどの商品も一緒に見えるからです。

どの商品も一緒ならば、あとは価格で選ぶしかありません。
逆に言えば、商品が一緒に見えなければ、顧客は価格以外の要素で商品を選びます。

『明治 ザ・チョコレート』はそのいい例です。

明治 ザ・チョコレートは、チョコレートそのものではなく、香りを前面に押し出して、
商品のポジションを変えました。

チョコレートのままではほかのチョコレートと味の比較に終始し、
価格競争から抜け出せなかったでしょう。

しかし、チョコレートの【味】ではなく、【香り】をアピールすることで、
独自のポジションを築くことに成功しました。

もちろんただ言葉にするだけではなく、見た目に分かりやすいパッケージデザインもそのポジションを築くのに一役買ったのは言うまでもありません。

パソコン業界も同じです。

パソコン業界はすでにコモディティ化(性能の差がわかりにくくなること)してしまっています。
そこで、「スペック(機能)」での競争から脱却し、「ストーリー(意味)」を付加価値として売るために、
ストリーマーとコラボレーションすることがあります。

消費者は、「Core i7だから買う」のではなく、
「推しとの繋がりを感じられるから」
「自分のアイデンティティを表現できるから」
という理由で、通常モデルよりも高額な対価を支払っています。

パソコンのようなものでも、ストーリー性を感じさせられるなら、
世の中のどんなものでも付加価値を付けることはできるでしょう。

あるいは売りたい商品の関連商品をまとめて売るのでもいいでしょう。

例えば新居に引っ越す人へ、
【新生活応援セット】として家具・家電・食器などをまとめて販売するのでもいいです。
これは先ほどの例とは違って、スペック(機能)を訴求したものですが、
いちいち商品を選ぶという手間を省いているので、価値があります。

現代はモノに溢れすぎているので、「代わりに商品を専門家の観点から選ぶ」ということそのものに価値があります。
人は自分で選んで失敗するくらいなら、人に選んで失敗しない選択をしたいものなので。

まとめ

最後に記事のまとめです。

キャッシュフロー改善の基本

「キャッシュイズキング」
会計上の利益よりも、現金の流れ=キャッシュフローをのほうが大事です。

キャッシュフロー改善とは、ざっくり言えば「入金を早めて、出金を遅らせ、利益を増やす」ことです。

具体的なキャッシュフロー改善策

1. 入金を早める

  • 請求書は即日発行、電子請求を活用
  • 前払い・着手金を導入
  • 早期支払い割引を提案

2. 入金の確実化

  • 滞留債権の管理を徹底
  • 自動引き落としやクレジットカード決済を導入

3. 支出を遅らせる

  • 支払いサイトの延長交渉
  • クレジットカード払い、リースや分割払いの活用

4. 利益を増やす

  • アップセル・クロスセルの強化
  • 価格改定や付加価値の創出
  • 業務効率化・無駄なコストの削減

キャッシュを使わずに成長する方法

「キャッシュがないから何もできない」と諦めるのは早いです。
現金を使わずに成長するための工夫もたくさんあります。

バーター取引(物々交換):
自社のサービスや商品を現金の代わりに提供し、必要なものを手に入れる方法です。

給料制度の工夫:
固定給を業績連動型にしたり、社員割引や自社商品での現物支給を取り入れることで、現金支出を抑えつつ社員満足度も向上させることができます。

他社資産の活用(ジョイント・ベンチャー):
他社の流通網や顧客基盤を活用して、初期投資を抑えながら新規事業に参入することも可能です。

商品のパッケージ化・差別化:
商品やサービスにストーリーや体験をプラスし、セット販売や限定パッケージ化で単価アップを狙いましょう。

注意点:
キャッシュを使わない施策でも、効果測定と改善サイクルは必須です。
また、安易にマーケティング費用を削るのではなく、ROI(投資対効果)を見極めて判断することが重要です。



以上のようにキャッシュを使わずに事業を拡大させられる方法はいくらでもあります。

これらが効果があるのは、ビジネスの本質をついているからです。
ビジネスの本質とは、 価値の創造と交換です。
相手にとっての価値が何かを見極め、それを提供しているからこれらの施策が効果があるのです。

キャッシュは価値の一部にすぎません。
キャッシュなしで事業を拡大することは、ビジネスの本質にまで目を向けるからこそできることです。

あなたも、
自分は相手に何を提供しているか、
相手は何が欲しいのかを考え抜いてみてください。